世の中には、「世界最速」と呼ばれるものがあります。飛行機、車、そしてバイク。

スズキのGSX1300Rハヤブサは、長年その座に君臨しているバイクです。その魅力はどこにあるのでしょうか。

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初代ハヤブサは超ハイパフォーマンスバイク「メガスポーツ」の代表

初期型が発売されたのは1999年で、1,298.6ccの4ストローク・水冷DOHC4バルブ直列4気筒エンジンは1754馬力を発生し、フルカウルをまとっていました。

低く構えたスタイルは丸みを帯びており、フロントフェンダーはブレーキキャリパーをもカバーする形状になっているほど、空力を意識したデザインとなっています。

ハヤブサ最大の魅力と特徴は、その最高速です。

実測で300km/hを優に超える圧倒的性能(計測値は312km/h)は、他のライバルを遙かに凌駕するもので、2000年モデルまではフルスケール350km/hメーターが装着されていました。

加速性能も驚くべきもので、0→100km/h加速は 2.6秒、0→200km/h は7.9秒(3速ギア)という、他のバイクではおよそあり得ない数値を達成しています。

あまりにスピードが出すぎることから、その後EUをはじめとしたスピード自主規制に大きな影響を与えました。

より洗練された2代目

2007年、フルモデルチェンジが行われ、ハヤブサは2代目となりました。

排気量は1340ccに拡大、出力は197馬力へ大幅アップ、それでも乾燥重量は215kgと変わりません。

全体的なイメージは初代を踏襲したもので、ツインフューエルインジェクター、チタン製吸排気バルブ、トラクションコントロールメカ「S-DMS」装着など、車体全てがリファインされています。

ユーザー視点に立っていると感じさせられるのは、ガソリンタンク上部の凹みで、これは最高速近くになってライダーが伏せたとき、ヘルメット下端が収まるようにとの配慮からできています。

見た目の迫力も増しており、左右2本出しの極太サイレンサーから出る低く太い排気音は、ハヤブサの存在感を増しています。

初代も高い人気がありましたが、2代目ハヤブサも、多くのライダーから厚い支持を受けています。リッタークラスにおけるハヤブサ人気は、衰えず続いています。

国内仕様のハヤブサ

そして2014年、日本国内向けにハヤブサが発売されました。

最大出力197馬力はそのままで、国内用180km/hリミッターを装着しています。便利なのはETCが標準装備されたことで、これは国内初となります。

まとめ

元々がアウトバーンなどを高速移動するために作られたバイクですから、高速走行時の安定性は抜群です。日本国内では、高速道路ですら退屈してしまうほどのエンジンパフォーマンスですから、所有し走るには相当の自制心が必要です。

しかしバイクとは趣味性の高い乗り物ですから、所有し、眺め、走り、いざとなれば瞬時に危機を回避できるほどの性能を自在に操ることは、ライダーに大きな喜びをもたらしてくれます。

走り、曲がり、止まる。そして眺める。ハヤブサは、これら全てを高次元で実現したバイクなのです。