現在、新型車にかくれ、1960年代後半から70年代のバイクが根強い人気を誇っています。そのなかでひときわ高い人気があるのが、1969年に国内販売が開始されたCB750FOURです。

製造後40年以上経っているのに、中古車平均価格は軽く100万円を超え、なかには1,000万円以上するものもあります。
その魅力は、一体どこにあるのでしょうか。

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ホンダが作った世界戦略車

当時、世界で売れていたバイクは、イギリスのトライアンフ、ドイツのBMW、アメリカのハーレーなど750cc以上でした。対してホンダでは450ccが最大排気量、世界市場に出て行くためには同クラスの排気量が必要でした。

その結果、750cc、当時最新メカのOHC4気筒、市販車発のディスクブレーキ、最高時速200km/hという桁外れの性能を持ったCB750FOUR(以下「CB」)が完成しました。

リッタークラスが台頭した現在、その車体は小さく見えますが、非常な存在感があります。それは、ホンダが世界を席巻しようとした意気込み、迫力、願いなどが感じられるからでしょう。

ティアドロップ方のタンク、後端が跳ね上がったシート、エンジンをコンパクトにするためのドライサンプ、堂々とした4本マフラーと豪快な排気音などから感じることができます。

4本マフラーの豪快な排気音

CBは、初期型の「K0(ゼロ)」と翌年の「K1」まで、無番またはHM300と刻印されたマフラーがついています。実は、CBに惹かれる方のほとんどが、このマフラー音のとりこなのです。

現在、バイクの排気音は96db以下でなくてはなりませんが、1969年当時は99dbでした。そのためもありますが、4つのシリンダーで爆発した音は4本のマフラーにストレートに排出されます。

地を這うような、低く、迫力ある排気音は、騒音と排気ガス規制のある現代ではもはや得られることはありません。
まさに、時代が創った音と言うべきでしょう。

「たかが音」と思われるかもしれませんが、この無番またはHM300の排気音は、官能的と言ってもいいぐらい、唯一無二の音質です。

そしてまた排気音とは、ライダーが右手で自在に操れる音でもあります。乗っているライダーはもちろん、それを傍から見ている側も、CBが加速や減速するときの音を聞いたら、虜になってしまうでしょう。

まとめ

CB750FOURのマフラーは、「K2」と呼ばれる型から音が小さいタイプに変更されてしまいました。それゆえ、現在走っているCBのほとんどは初期型のHM300マフラーに交換されています。それだけ音にこだわるオーナーが多いわけですね。

また車体そのものも世界戦略を狙ったために頑丈に設計されていますから、40年以上経た今でも、エンジントラブルは少ないです。CBのマーケット自体も、根強い人気によって豊富なアフターパーツが供給されています。値段は高額ですが、4本マフラーも社外品で一式そろうほどです。

時代を創ったオーラをまとったCB750FOUR、その人気はまだまだ続くに違いありません。