2015年から販売されているCB1300SB(スーパーボルドール)は、ネイキッドスタイルのCB1300SFにハーフカウルをつけ、ロングツーリング等の快適性を高めたモデルです。今では日本製ネイキッドバイクのスタンダードと言えるモデルですが、起源をたどっていくと、1992年に発売された「CB1000スーパーフォア」までさかのぼります。
ここでは、CB1300SBの進化の歴史を紐解いてみましょう。
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起源は「PROJECT BIG-1」=SC30
CB1300SBの起源をたどっていくと、最終的には、ホンダ社内で進められていた「PROJECT BIG-1」の一つの完成形として1992年に発表されたCB1000スーパーフォア(形式SC30)にたどり着きます。
これは、ホンダの技術者たちが「本当に自分たちが乗りたいCBを作ろう」という強い意志で作り上げた、一つの形でした。水冷DOHC4気筒、前後18インチホイール、23リットルタンクなど、今見ても、圧倒的な存在感に満ちています。
事実、CB1000はホンダファンに圧倒的共感をもって迎え入れられました。やがてCB1000は、他者ライバルに対向するため、新エンジンのCB1300SFに発展し、形式SC40、SC54と経過したのち、2005年にカウルをまとったCB1300SBが登場します。
2005年からCB1300はこう進化した
2005年から販売されているCB1300SBですが、ここではイヤーモデルとしてのグラフィック変更以外で、メカニズムがどう進化してきたかを解説します。
2005年~2007年モデル
CB1300SFにハーフカウルと追加フレームをつけていますが、重量増は6kgのみで、燃費は共に26.8km/リットル(2名乗車)となっています。これらはリアサス・タンク・ホイールの塗装色、シートデザインで見分けることができますが、基本構成は同じです。燃料マップ配線を変えることでフルパワー化が容易で、後年のモデルに比べると、スポーティさがあります。
2008年~2009年モデル
2007年国内二輪車排出ガス適合のため、三元触媒採用、エキパイ取り回し変更、タンデムシート形状変更等。シートが薄くなったため、見た目は2007年までのモデルより軽快になりました。
2010年~2013年モデル
マイナーチェンジが行われ、ACジェネレーター出力増加、ABSを前後連動機構としたコンバインドABSに変更、シートとシートレール、テールランプ等形状変更。
これらモデルは、タンデムシートやリアカウル部分の厚みが増えたため、2009年モデルまでと比べるとリアのボリュームが増えました。
2014年~2017年モデル
最も大きなマイナーチェンジが行われました。一番大きい変更は、5速だったミッションが6速になったことです。これで高速走行時の騒音軽減および低燃費化がされました。他には、マフラー形状変更(小型化)、ギアポジションインジケーター装備、ETC等を装備した特別仕様車もあります。
全販売期間を通じて特別仕様車は他にいくつかあり、「赤骨」と呼ばれる赤いフレームのモデル、CB1000誕生20周年を記念したホワイトエディション、パニアケースを装備した「CB1300ST(スーパーツーリング)」などの派生モデルがあります。
またメーカー発表はされなくても、各部への防振ゴム追加、耐久性向上のための材質変更等はあちこちに見受けられます。
現在のCB1300SBのスペックは、次のとおりです。
車名・型式 ホンダ・EBL-SC54
全長(mm) 2,200
全幅(mm) 825
全高(mm) 1,205
軸距(mm) 1,520
最低地上高(mm)125
シート高(mm) 780
車両重量(kg) 273《274》
乗車定員(人) 2
燃料消費率(km/L)
国土交通省届出値:定地燃費値:(60km/h) 26.8〈2名乗車時〉
WMTCモード値(クラス) 17.2(クラス 3-2)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 2.7
エンジン型式 SC54E
エンジン種類 水冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒
総排気量(cm3) 1,284
内径×行程(mm)78.0 × 67.2
圧縮比 9.6
最高出力(kW[PS]/rpm) 74[101]/7,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 115[11.7]/5,500
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式 セルフ式
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 21
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
キャスター角(度) 25゜ 00’
トレール量(mm) 99
タイヤ 前 120/70ZR17M/C(58W)
後 180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式 前 油圧式ダブルディスク
後 油圧式ディスク
懸架方式 前 テレスコピック式
後 スイングアーム式
フレーム形式 ダブルクレードル
まとめ
CB1000は、ホンダらしさにあふれた大型バイクとして、発売当時のホンダファンに熱狂的に迎え入れられました。そのテイストを色濃く残しつつ、街乗りからロングツーリングまで快適にこなすCB1300SBは、見た目は堂々としていて大きいですが、走り出せば重さを感じることもなく、操縦性はとても素直です。
まさに日本を代表する大型ネイキッドとして、確たる地位を築いたと言えるでしょう。2005年から製造されていますので、もはやロングセラーの域に達していますが、どのイヤーモデルもそれぞれに魅力があります。自分に合った1台を探すのも楽しみですね。