ホンダ製バイクに近年装備されているメカに、「DCT」があります。

「デュアル・クラッチ・トランスミッション」の頭文字を取ったものですが、マニュアルとオートマのいい面を併せ持った、いわば「いいとこ取り」のメカです。

ここでは、DCTつきのホンダ車に乗った感想を書いてみましょう。

スポンサーリンク

DCT=オートマではない

まず知っておいていただきたいのは、DCTにはクラッチレバーとシフトペダルがないことです。

しかしこれはオートマではありません。クラッチのないマニュアルトランスミッションです。そう書くと矛盾しているようですが、要は、クラッチを必要としないマニュアルトランスミッションということです。

シフトペダルの代わりに、左ハンドルグリップに小さいシフトレバーが2つあります。

「ドライブ(AT)モード」の使い方

DCTのバイクに乗ってエンジンをかけたら、右ハンドルグリップにある【ニュートラル・ドライブ・スポーツ】モード切替ボタンを押すと、軽いショックと共に1速ギアに入ります。

そこでアクセルをひねると、バイクは【ドライブモード】で走りだします。スピードが上がると、ギアは自動で2速、3速とシフトアップされます。
繰り返しますが、シフトペダルはありません。

アクセルをガバッと開けると、自動でシフトダウンされて強力な加速が得られます。

ブレーキをかけると、ギアは自動でシフトダウンされ、止まったときには1速に入っています。

そこでボタンを押せば、ニュートラルに入ります。

このようにほぼ完全なオートマですが、ギアはチェンジされているので、下り坂ではエンジンブレーキもしっかり効きます。

「スポーツ(MT)モード」の使い方

右グリップの【ニュートラル・ドライブ・スポーツ】モード切替スイッチを【スポーツモード】にすると、今度は左グリップ上下にある小さいボタンが活躍します。パッシングスイッチのような形をしています。

上がシフトアップ、下がシフトダウンです。

走り出して好きな回転まで上げたら、左人差し指でシフトアップボタンを押すと、ギアは2速に入ります。同じように、3速、4速とシフトアップできます。

シフトダウンしたいときは、左親指で下側スイッチを押すと、3速、2速とシフトダウンされます。左手の指2本でミッションを操作している感覚ですね。

DCTのメリット、デメリット

DCTのメリット

・左手がクラッチ操作から、左足がギア操作から解放される
・シフトアップやダウンでオーバーレブしそうなときには自動でギアを変えてくれる、
あるいはギアが入らない
・ノッキングを起こしそうな低回転走行も防止してくれる
・燃費がよい
・シフトチェンジのミスがない
・加速減速がなめらかになる
・エンストしない
・オートマではないので、ギアを選んで走る楽しさがある
です。

DCTのデメリット

しかしデメリットもあります。
・押しがけができない
・走行中の空ぶかしができない
・ギアをシフトアップ・ダウンする実感に乏しい
これらは仕方ないことですね。それでもDCTには、これらデメリットを帳消しにするほどのメリットがあると言えます。

まとめ

DCTを搭載したホンダ製バイクは、徐々に増えており、一度乗った方は口をそろえてこう言います。
「もう、クラッチのあるバイクには戻れない」
と。

試乗車のあるディーラーに行って、一度体験してはいかがでしょうか。