チェーンまたはシャフトは、バイクエンジンの動力をリアタイヤに伝えるための伝達手段です。

小排気量やSS(スーパースポーツ)等でよく見るのはチェーンドライブですが、大排気量車の一部やツアラーでは、シャフトも多くなります。

チェーンとシャフト、それぞれのドライブ形式について解説します。

スポンサーリンク

チェーンドライブ

(1)メリット

・軽い
チェーンの最大のメリットは、軽くて構造が簡単なことです。そのため原付など小排気量車や、軽さを求められるSSに使用されます。

・パワーロスが少ない
また、単気筒から横置き4気筒、6気筒エンジン等はクランクの回転方向が進行方向と直角なため、出力の回転方向を変えずにリアタイヤに伝えることができ、パワーロスが少なくなります。

・ショックを吸収できる
チェーンには「あそび」がありますから、それによって加減速のショックを吸収することができます。これはトルクのある大排気量車で大きなメリットとなります。

(2)デメリット

・伸びる
チェーンは加減速で引っ張られるため、どうしても伸びるというデメリットがあります。
定期的にリアタイヤを後ろにずらし、あそびを一定量以内にしておかねばなりません。

・摩耗する
チェーンと接触するスプロケットも、走行距離に応じて摩耗します。そのまま走っていると外れてリアタイヤがロックするなど事故につながりますから、ある程度摩耗したチェーンとスプロケットは、交換しなければなりません。

・定期的な給油が必要
チェーンは外部にさらされているので、砂やほこりで汚れ、雨で油が落ちてきます。
そのため、定期的に給油をする必要がありますす。

シャフトドライブ

(1)メリット

・縦置きエンジンに適している
エンジンが縦置きで、クランク回転軸が進行方向と同じときは、パワーの向きを変えないで済むシャフトドライブのメリットが生きてきます。
横置きエンジンでもシャフトモデルはありますが、ツアラーが多くなります。

・ほぼメンテナンスフリー
シャフト本体からギアボックスまでがフルカバーされていますから、メンテナンスする必要はほとんどありません。
チェーンオイルが飛ぶこともないので、リア回りが綺麗です。

(2)デメリット

・重くなる
チェーンに比べ、20kgぐらい重くなります。そのため、中型クラスではほとんど見ません。

・シャフトの癖がある
俗に「トルクリアクション」と呼ばれ、アクセルオンで車体リアが上がり、アクセルオフで下がる現象です。しかし最近の技術によって、ほとんど感じることなく改善されてきました。

なお、車種によっては「ベルトドライブ」もあります。
チェーンとシャフトのいいとこ取りをしたメカですが、基本的にはチェーンに近いと言えるでしょう。

まとめ

ドライブ形式は、ネイキッドやSSはチェーン、大排気量のツアラーはシャフトという色彩が強くなっています。

シャフトはかつて癖があると言われましたが、最近では癖を感じることは非常に少なくなってきています。さらには大排気量車での使用がメインですから、ドライブ形式がチェーンかシャフトかで車種選びに迷うことはほとんどなさそうですね。