原動機付自転車、いわゆる「原付」は50ccのエンジンがついた二輪車です。1980年代には国内外の有名女優がテレビCMに起用され、原付も非常な人気がありました。現代では人気こそ下がっていますが、気軽に乗れ、維持費も安い乗り物であることは変わりません。その維持費を考えてみましょう。

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必ず必要な費用

法定費用

原付で公道を走るためにまず必要なのが法律で定められた費用で、これには自賠責保険料、税金の2つがあります。

(1)自賠責保険料

万が一事故を起こして損害賠償の責務が起きた場合、全く無保険だと加害者側に大きな負担がかかります。それを防ぐために自賠責保険がありますが、保険料をざっと言うと、1年で7千円少々です。ただし2年、3年と継続して支払うと割引があり、5年契約して一括で払うと1年あたり4千円以下になります。

(2)税金

原付には「軽自動車税」がかかり、2017年現在は1000円です。また地方税なので、市町村に支払います。

その他の費用

もし全く乗らないのであれば、上記の法定費用のみが維持費となります。以下は個人の乗り方によって違ってきますが、法定費用以外にかかる費用をまとめてみました。

・任意保険料

自賠責保険で支払いきれない賠償は、任意保険で支払います。ただしこれは言葉のとおり、加入するかどうかは任意ですし、保障額をどうするかは個人の考えによります。

1つのモデルケースとして、

対人:無制限
対物:無制限
自損事故:1500万円
無保険車傷害:2億円
搭乗者傷害:300万円
保険期間:1年間

の場合、全年齢補償で3万円弱、21才以上補償で2万円弱と、さほど高くはありません。

なお、是非とも知っておきたいのが「ファミリーバイク特約」で、家族の誰かが車の任意保険に入っている場合、その特約として家族(ファミリー)が乗るバイク(125cc以下)の任意保険を格安でつけられる制度です。この特約には、人身傷害型と自損傷害型があります。

・ガソリン代

保険に入って税金を払ったら、次はガソリン代です。でも、原付は燃費がいいですから、心配は無用です。無断変速のスクーターを街乗りで走らせても、1リットルあたり50kmは走ると思っていいでしょう。極めて燃費がいいとされている車種では、カタログ値で110kmですから、実際の使用においても70kmぐらいは走るでしょう。それをもとに、通学や通勤で1日あたり往復20km走ると仮定して計算してみましょう。

 20km*22日=440km
 440km/50(燃費)=8.8
 8.8*130円(1リットルあたりガソリン価格)=1,144円

何と、1ヶ月あたり千円ちょっとしかかかりません。年間で1万円程度です。地球環境にも優しいですね。

・その他

その他費用としては、ヘルメット、レインウェア、グローブ等が必要です。チェーンがあればチェーンオイルも必要ですから、初期費用としてはざっと3,4万円でしょう。また、オイルやタイヤなど消耗品もあり、これらはざっと年間1万円をみればいいでしょう。

まとめ

以上の年間費用を、高い金額をとってまとめます。

 自賠責保険  7,000円
 税金     1,000円
 任意保険   30,000円
 ガソリン   10,000円 
 その他    10,000円

このように、高く見積もっても約6万円となります。交差点によっては二段階右折など原付なりの制約はありますが、原付はお財布にも優しい、地球環境にも優しい乗り物だと言えるでしょう。