4気筒エンジンのマフラーには、1本、2本、そして古くは4本がありました。どれにするかは全てきちんとした意味があり、重さはもちろん出力特性も違ってきます。それらの違いについてご説明します。
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4気筒エンジンは90度ごとに爆発する
4気筒エンジンでは、クランクシャフトが90度回転するごとに、ピストンが1つ爆発します。
爆発順序は、メーカーの考え方、バイクの目指す性格等によって違ってきます。現在ある順序としては、進行方向右側シリンダーから順に、1-3-4-2、1-2-4-3、1-3-2-4と爆発します。
マフラーの働き
このように、各シリンダーが爆発することによって生じた燃焼ガスを、外に漏れないように、音を小さくし、温度を下げ、有毒ガスを減らし、効率よく、外気に排出するのがマフラーの役割です。
この「効率よく」という点において、マフラーによる違いが出てきます。「抜けのいいマフラー」や、「トルクアップするマフラー」などと言われるように、エンジン特性はマフラーによって変化します。
なお一般的には、シリンダー排気部分から車体下部までつながる部分を「エキゾーストパイプ(エキパイ)」、リアタイヤ近辺で太い消音部分があるところを「マフラー」と呼びます。
マフラーで出力特性はどう変わるか
(1)4-1
4本のエキパイを一気に1本にまとめる方法です。高回転型になる反面、低速トルクは細くなる傾向があります。
集合部分に鍵があり、社外マフラーの場合はメーカーによって「サイクロン」、「スパイラルコレクター」などの名前がついています。いかに無駄なく排出させるかが、メーカーの腕の見せ所です。
甲高い「ファーン」という音になります。
(2)4-2-1
4-1の低速トルクの落ち込みを補うべく開発されたマフラーです。
4-2、2-1になる部分は車体下部のためあまり見えませんが、音は4-1に比べてやや低くなります。
4-1、4-2-1ともに、ノーマルに比べて重量は格段に軽くなります。
(3)4-2-2、4-2-1-2
いわゆる「2本出し」や「ツインマフラー」ですが、シンメトリーなスタイルのため、重厚でバランスよく見えます。
低速トルクも増え、音は重低音が効いた迫力あるものに変化します。
ただし当然ながら、4-1や4-2-1に比べると重量増となります。もっともオールチタンのマフラーもあり、ノーマルマフラーが20kgもある車種では、ツインでも8kg少々と非常に軽量です。
(4)4
4気筒4本マフラーは、現在販売されているバイクでは存在しません。
かつての国内向けモデルでは、CB750FOUR、Z2、CB650exclusive、XJ400、CB400FOUR等がありました。
4本マフラーの性能上のメリットはあまりなく、見た目の重厚感が目的です。
ただし、CB750FOURの「無番」や「HM300」と呼ばれるマフラーは、非常に重厚で野性的な音がするため、この音は未だにCBオーナーをとりこにしています。
一度、実車が走る音を聞けば、迫力に圧倒されることは間違いありません。
まとめ
エンジンの特性は、吸気および排気デバイス(装置)によって変化します。
4気筒エンジンのマフラー形式も、メーカーの考えによって違いますし、カスタムしたい方向によっても、選び方は変わってくるのです。