ホンダのゴールドウィング(以下「GW」)は、同社の輸出および国内向け大型バイクですが、2017年秋(国内向けには2018年1月)、17年ぶりのフルモデルチェンジが行われました。

ゴールドウィングツアーDCT、ゴールドウィングツアー、ゴールドウィングの3モデルが用意されており、特筆すべきは、搭載されている幾つかの革新的メカニズムです。その詳細をご紹介しましょう。

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前輪ダブルウィッシュボーンサスペンション

今回のGWで最も特徴的なのが、この前輪サスです。

ほとんどのバイクの前輪サスは「テレスコピック」で、望遠鏡に似た伸び縮みするメカが採用されています。

しかし最大の欠点は、伸び縮みすることでキャスター角(フォークと路面との角度)が変化してしまうことで、いわば宿命とも言えます。

しかしGWのサスは、フロントタイヤを支持する部分と可動部が独立してリンクで結合されており、路面の凹凸によってフォークの角度が変化しません。

これによって、新型GWでは前輪とエンジンを可能な限り近づけることができました。それで得られたマス集中により、安定した操縦性と優れた路面追従性を実現しています。

第三世代7速デュアルクラッチトンランスミッション(DCT)

二番目に特徴的なのはDCTで、既にNC700やアフリカツインに装着されているDCTは、GWでは7速に進化して搭載されています。

これは2組のクラッチを使ったクラッチレス変速で、オートマではありません。クラッチのないギア変速システムです。ライダーのギア操作負担軽減、燃費向上などのメリットがあります。

加えて、走行シーンに合わせて「ツアー、スポーツ、エコノ、レイン」の4つの走行モードが選べ、トルクコントロールやサスペンション減衰調整などが自動で行われます。

DCT以外には6速のマニュアルミッションモデルもあり、両者ともリバース(後退)ギアを搭載しています。

軽量化されシャープになったスタイル

前モデルのGWは丸みを帯びたスタイルでしたが、今回のGWは、うねりのある曲面とシャープなエッジを巧みに組み合わせたスタイルをしています。

ホンダのキャッチコピーは、“威厳、風格、力強さ”で、遠くから見ても一目でGWと分かる一方、新しさも融合した優れたスタイルとなっています。

その他の装備

新設計の1800cc水平対向6気筒エンジン、Apple CarPlayを採用した「インフォティメント」、エアバッグ、無段階調整スクリーン、LEDライト等も採用されています。

もはやここまでくると、タイヤが2つの乗用車といった趣がありますね。

まとめ

ゴールドウィングは、大柄な車体、数々の先進メカニズムなど、ホンダバイクのフラッグシップモデルです。

大型二輪免許が教習所で取得できるようになった今、その人気は確実に上がっています。今回のモデルチェンジで、熟成度はさらに高まったと言っていいでしょう。

ただし車重は365kgから383kgと超弩級ですから、乗るためには体力も必要ですね。