16才から取れるバイク免許。その頃にバイクに乗り、結婚や子育てなどで一度バイクを下り、中高年で再びバイクに戻ってきたライダーを「リターンライダー」と言います。

しかし、長ければ30年にもなるブランクは、リターンするときに牙をむきます。リターンライダーは、何に気をつけなければならないのでしょうか。

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体力は衰えている

1996年、大型二輪免許が教習所で取得できるようになりました。そのため、かつて乗れなかった大型バイクに容易に乗れるようになりました。しかし、バイクによっては300kgを超える車重を支えるためには、筋力が必要です。

体力は落ちているにもかかわらず、重いバイクを動かさなくてはならないのです。万が一倒してしまっても、一人で起こせる力は必須です。
また、動体視力や反射神経も、若い頃とは違います。

それを過信して走ると、下手をすれば転倒したり事故に遭ったりする可能性が高くなります。大人のライダーとしての自覚を持ちたいものです。

飛躍的に向上したブレーキ性能

1980年代のブレーキは、ドラムまたはディスク。ステンレス製のフロントディスクはあまり効くとは言えず、思い切りブレーキレバーを握っても問題ありませんでした。

しかし現代のディスクは鋳鉄製で、しかも直径が大きくなっています。ブレーキ性能は驚くほど向上しています。

フロントブレーキが効き過ぎてコケる「握りゴケ」という言葉は、おそらく1990年代にできました。現代のバイクは、指1本でも余裕をもって止まれる性能があります。

車体剛性も向上している

さらには、車体を構成する主要部分は大きく太くなっています。フロントフォークとスイングアームの太さは、目を見張るほど違います。

タイヤはバイアスからチューブレスのラジアルになりました。

いずれも、街乗りから高速、ワインディングまで快適に走るための装備ですが、性能を過信するのは危険です。

高性能を制御する自制心を持とう

現在、売れ筋の主流は、リッターバイクと呼ばれる排気量1,000ccクラスのバイクです。アクセル一ひねりで、異次元の世界が出現します。

さらに一部の逆輸入車は、停止から時速100キロに到達するまで3秒もかからず、最高速は時速300キロに達します。

技術の進歩もあり、現代のリッターバイクは、30年前のナナハンより一回り大きいだけで、2倍のパワーがあります。昔のつもりでアクセルをひねると、バイクは瞬時に暴れ馬と化してしまうのです。

そうした高性能を生かすも殺すも、ライダー次第です。

まとめ

かつてバイクは、若い人の趣味だと思われていました。

それから30年が経ち、バイクに乗るメインの年代は中高年です。つまり、かつての世代がそのまま時を経て乗っているのです。

その30年の間に、バイクはかなり進化しました。反面、30年経ったあなたは、若い頃とはちがいます。体力や視力は衰えています。

くわえて、高性能バイクに乗るには大人の自制心が大切です。リターンライダーは、心に余裕を持って乗るべきで、そうすることで、バイクならではの世界を再認識できるのではないでしょうか。